50代になって、私はようやく「生きづらさ」の理由がわかりました。
私は20代の頃から、アダルトチルドレンの克服に取り組んできました。長い年月をかけて、少しずつ、自分なりに向き合ってきたと思います。
そして50代になった今、「HSP」という気質を知ったことで、これまで感じていた繊細さや生きづらさの理由が、ようやく腑に落ちました。
私は、アダルトチルドレンとHSPはまったく別のものだと考えています。
けれど、アダルトチルドレンを克服していく過程では、この二つを切り離して考えることはできないとも感じています。
なぜなら、アダルトチルドレンであり、なおかつHSP気質を持っている人の場合、アダルトチルドレンだけに着目してしまうと、本来の「繊細で感じやすい特性」まで問題として捉えてしまうことがあるからです。
本当は悪いことではないHSPの特性を、「自分の弱さ」や「克服すべきもの」だと思い込んでしまう。
すると、自分自身を否定し続けることになり、回復に時間がかかってしまうこともあります。
私自身、HSPという気質を知ったことで、「これは克服するべき欠点ではなく、生まれ持った特性なんだ」と理解できるようになりました。
すると、自分を責める気持ちが減り、アダルトチルドレンの克服も大きく進み始めたのです。
HSPを知ることは、ただの性格診断ではなく「自分を正しく理解すること」につながるのだと思います。
「HSP(Highly Sensitive Person)」と「アダルトチルドレン(AC)」は本来まったく別の概念ですが、実際には重なって見えることが多く、「切り離して考えにくい」と感じる人が多いです。
ただし、まず大事なのは、
HSP=生まれ持った気質、AC=育った環境による心の適応パターン
という違いがあることです。
そのうえで、なぜ重なりやすいのかを整理します。
1.HSPは家庭環境の影響を受けやすい
・人の感情変化に敏感
・空気を強く読む
・怒声や緊張に強いストレスを感じる
・小さな否定でも深く傷つく
などがあります。
そのため、家庭内に
・不機嫌な親
・過干渉
・否定や比較
・感情の爆発・「いい子」を求められる空気があると、非HSPの人より深く影響を受けやすいのです。
同じ家庭でも、兄弟は平気だった、でも自分だけ強く傷ついたというケースは珍しくありません。
つまり、HSPの繊細さが、AC的な適応を作りやすくすることがあります。
2.ACの行動パターンがHSPの特徴に見えやすい
・人に嫌われるのが怖い
・相手の顔色を読み続ける
・NOと言えない
・常に緊張している
・刺激に疲れやすい
これは幼少期に、「空気を読まないと安全じゃなかった」経験から身についた生存戦略です。
すると外から見ると、繊細で共感性が高く気疲れしやすいのでHSPに見えることがあります。
HSP由来の敏感さ、トラウマ由来の警戒反応が見た目として非常に似るのです。
3.自己否定が両方に深くかかわる
HSPの人は刺激を強く受けるため、気にしすぎ、弱い、面倒くさいと言われ続けると、自分を否定しやすくなります。
一方ACも、親の期待、条件付きの愛情や否定的な環境によって、「自分はそのままでは価値がない」という感覚を抱きやすく、結果として、過剰適応、自責、完璧主義や他人優先などが両方で強まりやすいです。
4.HSPだからACになるではない
ここはかなり重要です。HSPでも、安心できる家庭、尊重される環境、感情を否定されない関係で育つと、AC的な苦しさを持たずに成長する人はたくさんいます。逆に、HSPでなくても、機能不全家庭、支配的な親やネグレクトがあるとACになります。
つまり、HSPは「気質」、ACは「環境への適応」であり、イコールではありません。
5.実際には両方ある人が少なくない
生まれつき敏感さが家庭で理解されず、さらに傷つきやすくなり、人の顔色を読む癖が強化されたという流れで、「HSP気質+AC的適応」を両方持つ人がかなりいます。この場合、自分でも「これは元の性格なのか、傷ついた結果なのか」区別が難しくなります。
5.見分けるヒント
HSP寄り
・子どもの頃から刺激に敏感音
・光、匂いにも反応しやすい
・一人時間で回復する
・安全な環境でも感受性が高い
AC寄り
・人間関係で過剰警戒
・怒られる不安が強い
・「役に立たないと価値がない」と感じる
・安心していても緊張が抜けない
という傾向があります。
ただ、完全に分離できるものではありません。
最後に伝えたいこと
50代になった今、ようやく「無理に変えなくていい部分」と、「癒していくべき部分」が見えてきました。
大切なのは、「自分がHSPかACか」を厳密に分類することより
・何に傷つきやすいのか
・どんな場面で無理をするのか
・どんな環境なら安心できるのか
を理解することの方が、回復や生きやすさには役立つことが多いということです。