50代になり、これまで当たり前のように続けてきたフルタイムの働き方が、だんだんとつらく感じるようになりました。
「このままフルタイムで働き続けていいのだろうか」
「もう少し仕事の量を減らしたほうがいいのではないか」
そう考えるようになったとき、まず思い浮かぶのは家計のことです。収入が減っても生活していけるのか、老後のお金は大丈夫なのか。働き方を変えるなら、家計の見直しは避けて通れません。
でも、もうひとつ忘れてはいけないことがありました。
それは、「働き方を変えた自分を、自分自身が受け入れられるのか」というアイデンティティの問題です。
長く続けてきた仕事を手放す怖さ
フルタイムの仕事は、確かに心身ともにきつくなっています。
けれど、その仕事を長く続けてきたからこそ得られた経験や知識、人とのつながりがあります。興味を失いつつある仕事であっても、私を成長させ、長い間支えてくれたことは間違いありません。
だからこそ、
「仕事を減らして、本当に大丈夫なのだろうか」
「第一線から離れてしまったら、私は何者なのだろう」
「今まで頑張ってきたものを手放してしまっていいのだろうか」
そんな不安が何度も湧いてきました。
特に、周囲の変化や環境から受ける刺激に敏感なHSPにとっては、働き方を変えることそのものだけでなく、そこから生まれる「自分はこれでいいのか」という気持ちも大きな負担になるのかもしれません。
決断する前に、まずやっておきたいこと
働き方を変えたいと思っても、勢いだけで辞めたり、勤務時間を減らしたりするのではなく、私はいくつかのことを整理してから決めることが大切だと思います。
まずは、今の働き方の何がつらいのかを書き出してみること。
仕事そのものが嫌なのか、勤務時間が長いことがつらいのか、人間関係なのか、責任の重さなのか。それとも、仕事以外のことに使う時間がなくなっていることが苦しいのか。
原因がわかれば、「仕事を辞める」以外にも、勤務時間を減らす、仕事内容を変える、働く日数を減らすなど、選択肢が見えてきます。
次に、理想の一日の過ごし方を考えてみること。
仕事を減らしたら、何をしたいのか。家でゆっくり過ごしたいのか、趣味を楽しみたいのか、学び直したいのか、これまでの経験を別の形で活かしたいのか。
「仕事を減らす」だけではなく、「仕事を減らした先に、どんな暮らしをしたいのか」まで考えておくと、決断もしやすくなります。
そしてもちろん、家計のシミュレーションも必要です。
収入がどのくらい減るのか、毎月いくらあれば生活できるのか、今後必要になるお金は何か。数字を具体的にしてみると、漠然とした不安が少し整理されます。
「仕事=自分」になっていないか
もうひとつ、決断する前に自分に問いかけておきたいことがあります。
「私は仕事がなくなったら、何者なのだろう?」
長く働いていると、いつの間にか「会社員であること」「仕事で成果を出すこと」が自分の価値と結びついてしまうことがあります。
でも、本来、仕事は私という人間の一部分です。
仕事を減らしても、これまで身につけた経験や知識がなくなるわけではありません。これまで頑張ってきた時間が消えるわけでもありません。
第一線から離れることと、自分の価値がなくなることは、同じではないのです。
働き方を変えても、私は私
ずいぶん悩み、なかなか結論を出せずにいました。
それでも考え続けるうちに、少しずつ気持ちが変わってきました。
「働き方を変えても、私は私なのだ」
そう思えるようになったのです。
これまでのように第一線で働くことはできなくなるかもしれません。でも、これまで積み重ねてきた経験を活かして、別の形で誰かの役に立つことはできます。
働く時間が短くなっても、責任が軽くなっても、それまでの人生まで小さくなるわけではありません。
むしろ、これからの自分を大切にするために、働き方を見直すことも必要なのだと思います。
50代からは「減らす」ことも選択肢
若い頃は、仕事を増やすこと、頑張ること、キャリアを積み上げることが大切でした。
でも50代になった今は、「何を増やすか」だけでなく、**「何を減らすか」**を考えてもいいのではないでしょうか。
無理をして心身ともに疲れ切ってしまう前に、自分に合った働き方を探す。
それは逃げでも、これまでの努力を否定することでもありません。
これまでの自分を大切にしながら、これからの自分を守るための選択。
私はようやく、そう考えられるようになり、働き方を変える決断をすることができました
